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6月15日放送『世界法廷ミステリー』放送内容
6月15日放送『世界法廷ミステリー』放送内容
アメリカ・オハイオ州で1998年、女性が自宅で殺害された。一緒に襲われた6歳の孫は「犯人は伯父さん」と証言、伯父は逮捕される。その妻は「夫は自宅にいた」とアリバイを訴えたものの、終身刑に…。しかし裁判後、孫は証言を覆した。一体なぜ孫は事実と異なる証言をしたのか?その恐ろしい真相とは…。
出典:『世界法廷ミステリー』公式HP
オハイオ州で女性殺害の現場や事件の経緯
その事件は1998年6月7日起こった。
現場はアメリカオハイオ州バーバートン。
事件の経緯がこちらだ。
被害者・ジュディス・ジョンソンさんは当時58歳。
孫娘・ブルック・サットンちゃん当時6歳と2人暮らし。
事件当日、突如として現れた犯人に2人は殴られた。
気を失っていたブルック・サットンちゃんは、目を覚ますと近隣の住民に助けを求める。
警察が到着も、ジュディス・ジョンソンさんは残念ながら死亡していた。
警察は直ちに捜査を開始。
気を失っていたというものの、犯人の手がかりには事件に巻き込まれたブルック・サットンちゃんの証言も必要であった。
そして、ブルック・サットンちゃんの口から思いもよらぬ言葉が。
被害女性の孫が犯人は叔父と証言
この事件では、当時被害に遭い、命を落としたジュディス・ジョンソンさんと一緒にいた孫娘のブルック・サットンちゃんの証言が。
ブルック・サットンちゃん口から衝撃的な言葉が発せられた。
「犯人はおじさんだったと思う」
このように証言したのだ。
1999年、少女の叔父であるクラレンス・エルキンズ、当時38歳が逮捕された。
ブルック・サットンちゃんの叔父であるラレンス・エルキンズはなぜ、2人を襲ったのであろうか。
警察は、ブルック・サットンちゃんの証言から。叔父・ラレンス・エルキンズが犯人であるとし、逮捕。
しかし逮捕に至る経緯についてだが、矛盾点が多くある。
・事件当時、ラレンス・エルキンズの妻・メリンダさんは、一緒に自宅にいたと証言
・ラレンス・エルキンズが犯人であると結びつく物的証拠はない
・事件現場に残された体毛はDNA検査の結果、ラレンス・エルキンズのものではなかった
確実にラレンス・エルキンズが犯人であるという証拠がないままに、ラレンス・エルキンズは逮捕されたのだ。
そして起訴。
裁判では“終身刑”が言い渡された。
叔父・ラレンス・エルキンズは冤罪!真犯人は別にいた!
ラレンス・エルキンズの妻・メリンダさんは夫の無実を証明するために、自ら探偵を雇い、事件の真相を探り始めた。
すると程なくアール・マンという人物にたどり着く。
この人物は被害者のブルック・サットンちゃんの隣人であった。
この人物、なんと前科があったのだ。
それは
“性犯罪”
この罪で服役。
出所後に増しても10歳未満の少女、3人にわいせつ行為をし、再び刑務所へ入ったという人物であった。
ラレンス・エルキンズさんが事件後に収容された刑務所にアール・マンも収容されてきた。
この時にはラレンス・エルキンズさんの耳にアール・マンが怪しいという情報があったのだろうか。
ラレンス・エルキンズさんは隙を見て、ある行動を起こす。
アール・マンが吸ったタバコの吸い殻を回収
これを弁護士に提供し、DNA鑑定に。
その結果
事件現場に残された毛髪のDNAと吸い殻のDNAが一致
再度ブルック・サットンちゃんに確認をとると、犯人の男の“瞳の色が茶色”であったことが判明。
叔父のラレンス・エルキンズさんの瞳の色は“青”であり、改めてラレンス・エルキンズさんが犯人でないことが判明した。
ラレンス・エルキンズさんの裁判の判決はあってはならない“冤罪”であったのだ。
叔父・ラレンス・エルキンズはその後どうなったのか?
ラレンス・エルキンズさんは当時、捜査を行った警察官に対し、裁判を起こす。
結果は
・バートン市から525万円支払命令
・オハイオ州より約100万円の賠償金
ラレンス・エルキンズさんは見事に無罪を勝ち取った。
そしてラレンス・エルキンズさんは和解に応じた。
だが、それまでに7年もの時がかかったのだ。
無罪を勝ち取るにはあまりにも大きな代償であった。
まとめ
今回の事件の結果は、あってはならない“冤罪”であった。
十分な証拠がないにも関わらず、どうしてラレンス・エルキンズさんを犯人とし、逮捕したのか。
犯行現場にいた孫・ブルック・サットンちゃんの証言を鵜呑みにしてしまったということだとしても、決定的な証拠がないまま、ラレンス・エルキンズさんを逮捕し、終身刑で7年もの間、獄中生活を課したことは、許されることではない。
被害女性の孫・ブルック・サットンちゃんは日に犯人について証言を覆しているが、7歳という年齢や事件のショックで記憶が曖昧になっていたのであろう。
この事件の時、ブルック・サットンちゃんは、犯人から殴られたばかりか、いたずらをされていたそうだ。
冤罪であったラレンス・エルキンズさんも気の毒である。
しかし、幼かったとはいえ、無実の叔父を犯人と証言し、そして祖母を目の前で殺害され、いたずらをされたブルック・サットンちゃんの心の傷は、計り知れないものがあるのではないだろうか。