スカンジナビア航空751便が墜落を『体験!奇跡のリアルタイム』で紹介する。
この墜落事故、空中で両側のエンジンが停止し、緊急着陸をしたという事故だ。
そんな大事故にも関わらず、乗員乗客129人全てが生還した。
普通に考えると、そんなことはありえない奇跡。
乗員乗客全員が生還絵きた理由やどうしてこのような事故が起こったのか。
これらについて調べてみた。
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スカンジナビア航空751便飛行機事故『体験!奇跡のリアルタイム』放送内容
スカンジナビア航空751便飛行機事故を『体験!奇跡のリアルタイム』で紹介の放送内容。
現場に居合わせた者だけが体感する時間にスポットを当てたバラエティー特番が1年ぶりに帰ってきた!
この番組は一歩間違えれば一大事だった現実に起きた事件、事故を再現VTRで紹介。
運命を分けたターニングポイントから奇跡が起きるまでの濃密な時間を秒単位で表示し、視聴者も現場のヒリヒリした緊張感、ピンと張りつめた空気をリアルタイム(同時)に体感できる。
今回はスカンジナビア航空751便の飛行機事故、津川雅彦長女誘拐事件を臨場感たっぷりにリアルタイムで再現する。
出典:体験!奇跡のリアルタイム公式HP
空中で両側のエンジンが停止してしまうなんて、考えただけでも恐ろしいことだ。
一体どうしてそんなことになってしまったのだろうか。
そして、乗員乗客が全員助かった経緯など順を追って紹介する。
スカンジナビア航空751便墜落事故の概要
この事故が起きたのは1991年12月27日。
スウェーデンで起きた。
スカンジナビア航空の“MD-81(マクドネル・ダグラス81)”が乗員6人、乗客123人を乗せストックホルムのアーランダ空港を離陸。
その直後に両側のエンジンが停止してしまったのだ。
負傷者100人を出すことになったが、幸いにも乗員、乗客129人全て生存だった。
この事故、一体何が原因で起こったのであろう。
スカンジナビア航空751便が墜落までと乗員乗客が助かった理由
1991年12月27日、スカンジナビア航空751便は、ストックホルムのアーランダ国際空港を離陸。
その後、スカンジナビア航空751便が墜落した。
それまでの経緯や乗員乗客全員が無事助かった理由を見ていきたい。
スカンジナビア航空751便墜落までの経緯
デンマークのコペンハーゲン空港を経由し、ポーランドのワルシャワ空港、スペインのバルセロナ空港に向かった
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吸い込んだ氷のために第1エンジンのファンブレードが変形
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コンプレッサーの失速、やがて第1エンジンが異常燃焼を起こす
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続き離陸後39秒後には第2エンジンも第1エンジンと同様の現象を起こした
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離陸76秒〜78秒後には、高度3,220フィート(980m)で両側のエンジンが完全に停止
電力、無線も使用不能に
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機長、副操縦士、非番機長がエンジンの再点火をし、アーランダ空性へ引き返すことを試みるも失敗
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不時着の可能性があることを管制官に報告
客室乗務員ならびに乗客に安全姿勢をとるよう呼びかける
↓
ゴットゥローラの平原へ不時着を試みる
↓
不時着に成功するも、機体が3つに全損大破
幸いにも負傷者が出たものの、乗員乗客合わせて129人全員が生還した。
奇跡としか思えない結末である。
では次にこれだけの大惨事にも関わらず、乗員乗客全員が助かった理由はなんだったのか見ていく。
乗客乗員全員が生還できた理由
普通に考えると、両側のエンジンが停止してしまった状態で、仮に不時着できたとしても火災が起きたり、死者が出ても不思議ではない。
しかし、今回のスカンジナビア航空751便の墜落事故では、負傷者を出すも死者を出すことはなかった。
その理由は機長の迅速な判断と幸運が重なったと言っても良いだろう。
その内容が以下の通りだ。
・ゴットゥローラの平原へ不時着の際、手前にあった松の森を利用し、着陸時のショックを和らげることにより、胴体着陸の減速に成功
・雪で覆われた地面によって、衝撃が軽減された
・木に接触時、主翼がもぎ取られたことにより、燃料タンクを失った結果、火災の発生を免れた
不時着の現場が空港に近かったことで、救助が迅速に行われたことも乗員乗客全員が無事であった理由と言える。
スカンジナビア航空751便墜落事故の原因
このスカンジナビア航空751便が墜落した原因。
それは・・・
両側のエンジンが主翼に付着した大量の雪と氷を吸い込んだために故障したため
このことが原因であった。
ということは、自然によってもたらされたアクシデントであると考えてしまいそうだが、実は、人為的ミスとシステムの誤作動だったのだ。
人為的ミスと考えられるもの
・事故前の深夜から明け方にかけて気温が0℃〜1℃の屋外に駐機
・機体に残っていた燃料が冷却され、金属製の主翼の上に雪と氷が大量に積り固まった
・離陸後、主翼の稼働により、固まっていた氷の塊が、機体後尾の両側のエンジンに吸い込まれた
墜落の原因となった氷の塊。
地上の作業員は主翼の上部に氷の塊があることを見落としていたという。
このことで、エンジンが損傷、墜落事故を引き起こした。
システムの誤作動と考えられるもの
・異音を感じたパイロットがエンジンの推力を落とすも“ATRシステム”(自動推力復元システム)が、自動で通常状態に戻した
この“ATRシステム”(自動推力復元システム)とは
離陸後に必要な出力が得られなかった場合にコンピューターが自動的に燃料をエンジンに噴射して出力を補正する装置
出典:Wikipedia
この装置は、スカンジナビア航空に納品された新しい機体に使用されていた。
にも関わらず、このシステムのマニュアルのことや、システムについて事故機に搭乗の機長、副操縦士、非番機長は知らなかった。
そのため、システムが誤作動を起こした際の対処法がわからなかったのだ。
これは、システムの誤作動というよりも、もはや人為的ミスと言っても良いのではないだろうか。
今回の事故で、機体の販売元の『マクドネル・ダグラス社』や機体の氷を見逃してしまった『スカンジナビア航空』の双方に過失が問われることに。
結果、機体のチェックを細部に渡って行うことやスカンジナビア航空751便の事故を招いた『ATRシステム』について、パイロットたちに周知させることにした。
乗員乗客共に全員生還も、クルーのその後は悲しい結末に
スカンジナビア航空751便の墜落事故では、100人の負傷者を出したが、奇跡的に129人全員が生還した。
だが、負傷者の中には重症の人達もいた。
搭乗していた副操縦士もその一人。
また、副操縦士は負傷したが、重症ではなかったようだ。
この2人に関しては、のちに乗務へ復帰している。
しかし機長だったステファン・ラスムセンは、常務に戻ることはなかった。
機長のステファン・ラスムセンは『メーデー!航空機事故の真実と真相』のインタビューで
「事故が原因で機械を信用できなくなった。
パイロットとしての仕事を辞めざるを得なかった」
と答えている。